ニコニコ動画が持つ少々アレな空気?
テーマ:「CGM 系のサイトで投稿者がアイドル化するのには理由があるのか」
1つ目:ニコニコ動画が素敵なヒントをくれました - カタコト日記
2つ目:CGM サイトでアイドルが育つ条件って? - カタコト日記
3つ目:ユーザーの心をつかむニコニコ動画の秘密 - カタコト日記
さてさて、ちょっと間があいちゃいました。
ここまで、ニコニコ動画サイトで用意されている "ユーザーが盛り上がるための仕組み" を
中心に簡単に考察してきました。(結果論ではあるんだけど)斬新かつ巧妙な仕組み。
ただ、こうした "仕組み" さえ与えておけば、どこのサイトでも盛り上がるのかっていうと
そうもいかないのが悲しいとこ。コミュニティが持つ "空気" が大きく影響してきます。
- 面白いヒトとネタが次々と集まってくる世界
- ゆるゆるコミュニケーションが生み出す世界
- 少々アレな空気を感じる世界 ← ここ
3. 少々アレな空気を感じる世界
ニコニコ動画をはじめて使ったとき「なんだかとっても2ちゃんねる」って感じたのね。
どこがって、コメントで使われてる言葉=そこにいるユーザーたちの雰囲気が。
(2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が運営会社の取締役ってのは後で知ったわけだけども)
ただ、ここでは、ひろゆき氏が運営側にいるからどうこうって話じゃなくて、
まずは「サイトの創成期に彼が多くの2ちゃんねらーを呼び込んだ」って事実に注目。
3-1. いつの間にかできあがってた空気
CGM 系のサイトができたばっかりのときって、運営側もユーザー側も手探りな状態で、
コミュニティを形成していく労力は両者にとって負担が大きかったりします。
ユーザーをひきつける魅力的なコンテンツがないとなかなか難しいし定着しない。
ニコニコ動画の場合、トレンドにものっかっててポテンシャルも十分あったと思うんだけど、
それ以上に、ある共通の文化(2ちゃんねる)を体験したユーザーが多く集まったことが、
しっかりと定着したコミュニティを形成するコストを大きく下げたんじゃないかと思います。
そして、サイト創成期っていう一番コミュニティの性格付けがなされる時期に
2ちゃんねらーがたくさんいたことで、その後のコミュニティの方向性があっち方面へ。
(´∀`*)
3-2. ストレートに感情表現できる空気
ユーザーが書き込みが行う一般のサイトでは、誹謗・中傷はタブー視=削除されます。
ニコニコ動画にはそれがなく(当然、推奨はしてないけど)、一部の 2ch 的言いたい放題。
実際ひどいコメントもよく見かけます。(前回のエントリーでは触れなかった負の部分)
ただ、投稿者のアイドル化という意味において、こうしたストレートな表現が許される空気
っていうのは悪いことばかりじゃないかな。どの世界のアイドルにも "アンチ" はいるわけで、
逆にその存在がファンの結束を高めるっていう皮肉な結果にもつながってるかもしれません。
3-3. こっそりニヤニヤ応援できる空気
それと、ストレートな感情表現という意味で、やっぱり匿名性なのは大きいですね。
コメントからプロフィールをひっぱってきて「何だコイツ」なんてたたかれる心配もないし。
まわりには内緒にしておきたいマニアックな動画の投稿者に「好き」って言えるわけです。
(ノ´∀`*)
アイドルのライブで踊ってる(オタ芸っていうの?)ような "コア" な人たちだけじゃなく、
もっとライトな(隠れ)ファンが生まれて、ファン層の裾野が広がるってことが、
投稿者アイドル化(=多くの人に指示されてる状態)にとってポイントになると思います。
つづく。次がラストの予定。
→ 炎上しても荒廃しないニコニコ動画の謎 - カタコト日記