実は Web 業界ってまだまだ未成熟
1つ目:制作会社がワークフローを隠す(?)理由 - カタコト日記
2つ目:Web 業界の競争ってどんだけ激しいの? - カタコト日記
前のエントリーで言いたかったことは、消費者としてのクライアントが賢くならないと
つまり、選択肢が存在するということを知ってかつその選び方を理解してないと、
市場において "健全な" 競争状態は生まれないということ。
じゃ、現状はどうかと言うと、まだまだその部分は未成熟だなぁって印象なのです。
成長できない Web 担当者
なんて書くと、「毎日、必死で勉強もしてるし経験もつんでるのに、何てことを!」
と叱られそーだけど、成長を妨げてるような外部要因が少なからずあるってことには
同意してもらえるんじゃないかなぁ。
意欲のある Web 担当者さんの成長を阻むものたちの例
- 会社が Web サイトの大切さをわかってくれない
- Web 業務がほかの業務と兼任でなかなか手が回らない
- 担当メンバーがころころと(1〜数年単位で)入れ替わる
- 短期的な成果ばっかり求められて、本質的な議論をしづらい
- 予算や社内の協力体制などに自由度が少なく決裁権ももらえない
- 情報のよりどころになるようなものが少ない
- 自社にあった情報が手に入らない(一般論や大企業の成功事例は実はあんまり役立たない)
- 付き合いのある制作会社が言ってることがベストなのか、比較の対象になるものがない
- 技術の進歩が早くて、過去のノウハウの蓄積だけでやっていけるほど甘くない
- 要件が複雑化・肥大化していて、覚えないと行けないことが多すぎる
でもって、制作会社を選別する "眼力" が養われないのにもおそらく理由が。
一番は、そもそも新しい制作会社を探す機会がなかなかない!ってことですかね。
制作会社の乗り換えを難しくしてるものたちの例
- 今の制作会社が "ダメ" だって言い切れない
- 成果が出るのにはそれなりに時間がかかる(と制作会社にも言われる)
- かつサイトの評価は、運営=自分たちにも大きく依存するわけで、責任の所在があいまい
- ほかの制作会社がどうやってるのか情報があまり入ってこないので、比べることもできない
- 時間をかけて築き上げてきた信頼関係があって、無下に切り捨てられない…
- 新規開拓のコスト
- 「この忙しいのに情報を集めて、話を聞いて…ってやってらんない。」
- 「新しいところが前のところより成果をあげれなかったときの責任取るの、誰?」
- 「新しい相手だと、事業内容の説明からまたやんなきゃじゃん。とっても面倒(涙)」
あぁ、なぜか最後だけ会話口調。(´∀`*)
なかなか "選球眼" を磨く機会に恵まれてるとは言いがたいと思うんだよね。
制作会社が自社のサイトに詳しい情報を載せない確信犯的理由
(ようやく この話 に戻ってきたよ (´∀`))
ここで重要なのは、ほとんどの制作会社さんたちは、上に書いたような状況を
知ってるはずだってこと。おそらくはね。
で、公益とか業界全体の活性化までを考えるなら、そういう悩みを抱える人たちのために
情報をどんどんオープンにしてくべきなんだろうけど、そうやって選ぶ側がどんどん
賢くなると、本当の意味での "自由競争" に晒されるリスクもある。
そのあたりを考えて、意図的に情報量をしぼってる会社もあるんじゃないかと思うわけデス。
それって会社として生き残るための戦略だし、ボランティアじゃなくてビジネスで
やってんだから当たり前と言えばそうなんだけど、どーもバカにされてる気もする…。
一方で、海外に目を向けると、ノウハウだからって隠すより、むしろ積極的に公開して
アピールするとともに外部の意見をつって、その上を行くサービスを作り上げる
みたいな会社もたくさんあって、そういった意味では、
日本のこの業界ってまだまだとても閉鎖的だなぁと思うのでした。